福岡第一高校

こんにちは。


たしか先週末だったと思いますが,
平成15年度から平成17年度まで
福岡第一高校に在籍していたセネガル人選手が
19歳以下という高校バスケの年齢制限に
反していたにもかかわらず,
公式戦に出場していたことが明らかになったことが
報道されました。
本当は1982年1月生まれであったのですが,
1986年10月生まれという改ざんしたパスポートを
持って来日していたということです。


この選手,名前が長いのですが,
僕は当時「ヌロ」と呼んでいたので,
ここでは「ヌロ」と言うことにします。


ヌロは,日本に来たセネガル人選手の
第1期生なのですが,その中でも圧倒的でした。


福岡はインターハイに2校出られるのですが,
冬の最後の全国大会(通称ウインターカップ)には
1校しか出られないため,
ヌロが来てから大濠と第一の間で
熾烈なウインターカップ代表争いが行われています
(ちなみにヌロが来る前,第一はインターハイに出た
こともあったようですが,大体県ベスト4か8でした。)。


セネガルが来た初年度の平成15年度の決勝は
前半第一が15点くらいリードするも,
竹野の活躍(鳥肌もの)で大濠が追いつき延長戦に。
延長で大濠が第一を振り切って
大濠が全国に出場しました。
大濠は全国準優勝。


次の平成16年度,第一はヌロが暴れ回って
インターハイ優勝。
ウインターカップの予選決勝は,
第3クオーターまで第一が15点くらいリード。
しかし,最終クオーター大濠が脅威の追い上げ(これも鳥肌もの)。
そして逆転!
しかし,最後は力尽き第一が3点差で優勝。
大濠の「ウイリアム王子」山下号泣。


このすぐ後でした,大濠の田中先生が
写真週刊誌のフラッシュにて実名で,
ヌロの年齢詐称疑惑を大々的に告発。
一番悔しかったのは,田中先生だったのね,と感心。


この際,第一は田中先生や大濠高校に
内容証明郵便にて抗議文を多数送っていた模様。
パスポートの記載を盾にする第一に
(たしかセネガルで調査した,とも言っていたと記憶。),
結局,証拠を揃えられなかった
田中先生が謝罪文を送付されたということです。


この年のウインターカップは,
ヌロが怪我したため,第一は能代に敗退。
東京体育館まで観に行った私は,
「ヌロがいなくてベスト8で負けるくらいなら
予選の決勝で大濠に勝ってんじゃねーよ。」と
思ったのを覚えています。


次の平成17年度,当初はヌロが怪我していたため,
もう一人のセネガル人選手「サー」のみでは
第一は大濠相手に歯が立たず,インターハイ予選まで
ずっと大濠が勝利。
インターハイでヌロが復帰。
第一は優勝候補の洛南を撃破して,
準決勝で大濠と対戦しました。
試合は当初大濠がリードしますが,
第一はヌロがコツコツ返して終盤はもつれました。
しかし,たしかヌロが退場したと思うのですが,
最後の1分くらいで大濠が10点くらい連取して
大濠が勝利。会場大盛り上がりでした。
決勝はやはりセネガル人ママドゥのいる延岡学園と対戦。
この試合は延岡のアウトサイドが良いところで
決まり,ママドゥにもやられ,
大濠は最後相手を追い込みますが,
3点差で惜敗し,準優勝でした。


で,その年のウインターカップ予選の決勝。
ヌロが完全復活し,大接戦となりますが,
大濠無念の3点差負け・・。
この年のウインターカップはヌロがまたも
能代等の有力校を蹴散らし,第一が優勝。
第一の井手口監督曰く,
「大濠が出ても優勝してただろう。」


次の年は大濠が第一相手に完全勝利。
第一にセネガル人はいませんでした。


このように平成16年度と平成17年度に
大濠を蹴散らしたヌロが試合出場資格のない
お兄ちゃんでした・・って,おいっ!という話です。


この件に関する第一のアナウンスは,
教頭先生の大意
「うちはパスポートを全面的に信頼していました。
だから被害者です。」というコメントのみです。


しかし,
たった1日だけ会った人ならまだしも,
ヌロの場合は3年間の長きにわたり在籍した選手です。
しかも,ヌロが2年生の時に
大濠の田中監督から年齢疑惑を指摘されたのであり,
その際に第一高校は詳細な調査をしているはずです
(行わずに漫然と出場資格のない選手を出し続けたのなら,
それも問題です。)。
にもかかわらず見抜くことができず,
あるいは見抜いて知っていたにもかかわらず,
ルール違反を犯し続けた第一高校には
ヌロが在籍した際の記録抹消のほかにも
厳しい処分が課されなければならないと思います。


処分を課すのは,不正に関係ない現役選手に酷と
いう声があるのも理解できなくはありませんが,
記録抹消はペナルティでも何でもない
至極当然のことに過ぎず,
やり得を防ぎ,再発を防止するためには
さらなる処分はやむを得ないことだと思います。


ヌロのために本来出られるはずだった
全国大会に出場できず,
本来できるはずだった
全国優勝ができなかった生徒が現実に
存在します(大濠以外にもいっぱい。)。
上記第一の教頭先生がその子らに謝罪しないのも
(謝罪はしているものの,
報道されていないということなら
申し訳ありません。),
この学校に前総長以来
根強く染み付いている残念な体質の表れと
見られても仕方ないと思います。
福岡県民,福岡市民としては,
この学校が全国版の新聞等で「福岡」と略されることも嫌です。
ちゃんと「第一」と略称していただきたい。


全国高等学校体育連盟に伺ったところ,
現在,第一に調査依頼をしており,
事実関係を調査し,慎重に判断したいと
考えているという回答をいただきました。
推移を見守りたいと思います。