この前の選挙

おはようございます。


この前の選挙について早く書いておかないと
忘れてしまいますので,既に賞味期限切れかもしれませんが,
更新します。


巷の予想通り,民主党圧勝,自民党大敗だったのですが,
驚くのはその原因分析について「マスコミ」の「マ」の字も
出てこないことです(私が原因を分析する論考を読んでいるのが
マスコミに載っているものですから,出てこないのが当然かも
しれません。)。


日経に投稿している政治学ないし政治過程論専攻の大学教授によれば,
自民党が負けたのは,
麻生内閣内閣支持率の上昇に腐心するばかりで,
日本を経済危機から脱出させるかを真剣に考えていないことが
有権者に見透かされたからであり,
経済再生に向けて集中して政策を打ち出していれば内閣支持率
もっと上がっていたはずだとか,


自民党トップの1年ごとの交代とか,
いつまでも解散しないという便宜主義に対する嫌悪感が
国民に蔓延していたからだとか,


これまで「自民党が『悪い』」というメッセージしか発せず,
日本をどんな国にするかという国家ビジョンを示せなかった
民主党が変わったからだ,とか色々仰っておられますが,


実際の一番大きな要因はマスコミによる首相の人格否定も含む
(人が嫌がることをしない,と言った福田氏のときは
これがなかったのは不思議です。)
世論誘導に有権者が引っ張られてしまったことだと考えています。


このマスコミの「誘導」に上記教授の先生方が
一切言及しておられないのは
経済学が「合理的な判断を行う経済人」のみが存在するという
基本的にあり得ない前提でしか話をしない(最近は変わってきているようですが)のと
同様に,「政治学」という学問においても
マスコミの誘導に左右などされない「合理的な判断を行う有権者」のみが
存在するという前提でしか学問が組み立てられていないからではないかと,
勝手に考えている次第です。
政治学に詳しい訳ではないので,間違っているかもしれません。すみません。


自民党トップの交代,というけど,
大統領制を採っている訳ではなく,議院内閣制を採っている
日本国憲法の下では,衆議院議員の任期の途中で
総理大臣が交替することは予定されているし,
安部元首相が辞められたのは体調不良というやむを得ない事情が
あったのであり,決して投げ出しとはいえないと考えています
(福田氏のは「客観的に自分のことを見ることができる」
彼が自分を見限った「投げ出し」です。)。


便宜的に解散を先延ばししたというけど,
去年9月のリーマンショック時に,
民主党がやっているような予算の執行停止などということが
あったらどうなっていたのか,実際に執行停止が行われている
今であればよくわかると思います。


「国家ビジョン」を民主党が示してますかね?
鳩山氏の名言「日本列島は日本人だけのものではない。」の
ことでしょうか。


言いたいことは色々あるのですが,
何よりも大事なのは
本質に基づいた議論のできる国民性を涵養していくことであり,
そのための教育改革が必要だという念を強くしました。