営業秘密

こんばんは。


今日は雨が結構降りました。
特に朝の出勤時は凄かったです。


少し前の話題になりますが,
東芝の元社員が営業秘密を韓国企業に違法に提供したという
不正競争防止法違反の罪の疑いで逮捕されたことが大きく報道されました。


不正競争防止法上の営業秘密の保護は,
「営業秘密」と認められるための要件が結構厳しく,
企業が単に「これは営業秘密だ」と考えていても,
それが流出したからといって保護される訳ではありません。
私も以前依頼者の方の情報流出が疑われる事例があったので,
刑事事件として立件してもらえないかと警察に相談したことがありましたが,
警察はなかなか動こうとしてくれませんでした。


今回の逮捕のインパクトはかなり大きいと思うので,
今後営業秘密に関して社会が敏感になる効果は期待できるものと思われます。
情報が流出する側も問題ですが,
他社からの転職を受け入れるような場合に,
その転職者が前の職場の「営業秘密」を転職後違法に用いることがないかということにも
留意しなければならないことになります。


3月24日の日経新聞朝刊の「経済教室」欄に
一橋大学の相澤英孝教授の論考が掲載されておりました。
営業秘密の漏洩対策には,刑事罰よりも海外からの営業秘密の侵害品の
関税法に基づく輸入差止めが効果的であろうと指摘されています。
たしかに仰るとおりではありますが,
商標権や意匠権の侵害品のように比較的わかりやすいものはよいとして,
営業秘密の侵害品であるかはかなり判断が難しいと思われますので,
税関がいかに実効的な判断ができる仕組を整えるかが
肝要ではないかと考えるところです。