面会交流の強制執行

こんにちは。


今日は昨日の雨天から一転,大変良い天気です。


さて,昨日の朝刊に,
別居した子との面会を認めた裁判所の審判及び調停に,
子を引き取った親が応じない場合に,
その親に金銭の支払いを命じて面会交流の実施を促す
間接強制(強制執行の一種です。)が可能かが争われた3件の裁判で,
面会方法などが具体的に定められているのであれば可能という
判断を最高裁が示したという記事が掲載されていました。


最高裁のホームページによれば,
2件は裁判所が判断した審判(判決みたいなものです。)に基づく請求,
1件は調停(当事者が裁判所で話し合い,合意した結果です。)に基づく請求で,
審判に基づく請求のうち1件は,具体的に定められているので間接強制を認め,
もう1件の審判に基づく請求及び調停に基づく請求は「具体的に定められていない」
として間接強制を認めなかったということです。


調停は当事者の話し合いで合意をするものなので,
面会交流について具体的に細かく決めるというのはなかなか難しい面があります。
しかし,今回の最高裁の決定を踏まえ,今後は子を引き取らない親の側が
面会交流の条件を細かく具体的に定めるよう要求することになると思われます。


今回,最高裁が間接強制を認めなかった審判の内容ですが,
「1か月に2回,土曜か日曜に,1回6時間,面会交流を行う。」として
面会交流の頻度や各回の長さは定められていたものの,
どこでどのようにして子を引き渡すかについては定められておらず
(他方,認められた1件は,引渡場所は親が話し合って決めるが,
決まらない場合は,JRの某駅の東口改札付近と定めていました。),
その点がアウトだったということです。
その1点だけで,しかも裁判所がなした審判で定まっていないから
間接強制が認められない,というのは酷なようにも思えますが,
強制執行は形式的な点が重視されますからやむを得ないのでしょうね。
今後は審判でも,具体的に細かく面会交流の条件を定めるよう
当事者が裁判所に求めていかなければならないということだと思います。


ちなみに認められた間接強制の,面会交流に応じなかった時に科される
金額は1回につき5万円ということです。